相続と印紙税|遺産分割協議書は不課税、代償金の領収書や契約書で印紙が必要になるケース

遺産分割協議書には印紙税がかかりません。代償金の領収書も個人が営業に関係なく受け取るものは非課税です。一方、換価分割の不動産売買契約書、代償金を分割払いにする契約書、交換と読める記載には印紙が必要なことがあります。判断の基準を解説します。

相続の手続きで作る書類に収入印紙が必要かどうかは、意外と迷うところです。基本は、遺産分割協議書に印紙は不要で、相続人同士のやり取りも多くは非課税です。ただし、不動産を売る、お金を分割で払うといった取引が絡むと、通常の契約と同じく印紙税がかかる文書になります。文書の種類ごとに整理します。

印紙が不要な書類

文書 理由
遺産分割協議書 印紙税の課税文書に当たらない
代償分割の定めがある遺産分割協議書 代償金の支払いを定めても、協議書自体は課税文書ではない
相続放棄申述書・遺言書 課税文書ではない
個人間の代償金の領収書 金銭の受取書は原則課税だが、「営業に関しない受取書」は非課税
相続による不動産の登記申請書 課税文書ではない

代償金の領収書は、受け取るのが個人で、事業(営業)として受け取るものでなければ非課税です。相続人同士の代償金の精算はこれに当たるため、金額が大きくても印紙は不要です。

印紙が必要になる書類

  • 換価分割の不動産売買契約書:相続人が買主と結ぶ売買契約書は通常どおり課税。契約金額に応じて印紙税がかかり、売買契約書は軽減措置の対象(2027年3月31日まで延長されています。最新の情報を確認してください)
  • 代償金を分割払いにする契約書:代償金の支払方法を「月々○万円を○年間」と定め、債務の承認や利息の約束を含む文書は、金銭消費貸借契約書に当たると判断されることがあり、金額に応じた印紙が必要になり得ます
  • 不動産の交換と読める協議書:相続人がすでに所有している不動産と相続財産を交換するような記載は、交換契約書として課税されるおそれがあります
  • 事業者が営業として受け取る領収書:相続人が不動産賃貸業などを営んでおり、その営業に関して受け取る場合は5万円以上で課税

例:換価分割で相続した土地を 3,000万円で売却する売買契約書 本則の印紙税 2万円 → 軽減措置の適用で 1万円

遺産分割協議書に書き方の注意

協議書の中で代償金の支払いを定めるときは、「○○は相続財産を取得する代償として、△△に金○円を○年○月○日までに支払う」と、遺産分割の一部であることが分かる書き方にします。支払いの期限や方法を細かく定めること自体は問題ありませんが、利息の定めや準消費貸借の文言を入れると、課税文書と判断される余地が生まれます。

印紙を貼り忘れたとき

課税文書に印紙を貼らなかった場合、本来の印紙税額の3倍(自主的に申し出た場合は1.1倍)の過怠税がかかります。契約自体は無効になりませんが、税務調査で契約書を確認された際に指摘されることがあります。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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