相続人の中に、まだ生まれていない子や、連絡の取れない人がいる場合、遺産分割と相続税申告は通常とは異なる手順が必要です。
胎児がいる場合
民法では、相続については胎児はすでに生まれたものとみなすとされ、無事に生まれれば相続人になります(死産の場合は相続人になりません)。
相続税の申告では、
- 申告期限までに生まれていれば、その子を含めて法定相続人の数を数え、基礎控除も1人分増えます
- 申告期限までに生まれていない場合は、胎児がいないものとして申告し、生まれた後に更正の請求などで調整します(生まれていないことで申告が困難な場合は、申告期限の延長を申請できます)
遺産分割協議は、胎児が生まれてから行うのが一般的です。
行方不明の相続人がいる場合
相続人全員が参加しない遺産分割協議は無効なので、行方不明の人を無視して進めることはできません。
- 不在者財産管理人の選任:家庭裁判所に申し立て、選任された管理人が行方不明者の代わりに遺産分割協議に参加します(協議には裁判所の権限外行為の許可が必要)
- 失踪宣告:生死不明が7年以上続いている場合、家庭裁判所の失踪宣告により死亡したものとみなされます。その人に子がいれば、代襲相続が発生します
相続税の申告期限は延びないため、行方不明者がいる場合はまず未分割で申告し、分割見込書を提出しておきます。分割が確定した後に更正の請求で配偶者の税額軽減などを適用します。
いずれのケースも家庭裁判所の手続きに時間がかかるため、早めに弁護士や司法書士と連携して進めることが大切です。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。