遺言書の検認とは?家庭裁判所での手続き・期間・検認前に開封した場合の扱い

自筆証書遺言と秘密証書遺言は家庭裁判所で検認を受けなければ名義変更などに使えません。申立てから検認期日まで1〜2か月程度かかるため、10か月の申告期限を考えると早めの申立てが必要です。開封しても遺言は無効になりませんが過料の対象です。

自宅の金庫から封をした自筆の遺言書が見つかったら、開けずに家庭裁判所の「検認」を受ける必要があります。この記事では検認の意味と手順、かかる期間、うっかり開封した場合の扱いを解説します。

検認とは何か

検認は、遺言書の形状・加除訂正・日付・署名などを家庭裁判所が確認し、その時点の内容を記録する手続きです。偽造や変造を防ぐためのもので、遺言が有効かどうかを判断するものではありません。検認を受けていない自筆証書遺言では、法務局での相続登記や金融機関での解約手続きが進められません。

検認が必要なのは自筆証書遺言と秘密証書遺言です。公正証書遺言と、法務局の保管制度を利用した自筆証書遺言は検認が不要です。

検認の手順と期間

  1. 遺言書の保管者または発見した相続人が、遺言者の最後の住所地の家庭裁判所に申し立てる。費用は遺言書1通につき収入印紙800円と連絡用の郵便切手
  2. 添付書類は遺言者の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の戸籍など。相続人の範囲によって追加の戸籍が必要
  3. 裁判所が相続人全員に検認期日の通知を送る。申立人以外の相続人の出席は任意
  4. 期日に裁判官が出席者の前で開封・確認し、検認調書が作られる
  5. 検認済証明書の交付を申請する(遺言書1通につき150円)

申立てから期日までの期間は裁判所の混み具合によりますが、1〜2か月程度が目安です。戸籍の収集に時間がかかれば、さらに前倒しで動く必要があります。相続税の申告期限は10か月ですが、検認後に遺言の内容を踏まえて財産を確定し、評価・申告まで進めることを考えると、死亡後すみやかに申し立てるのが安全です。

検認前に開封してしまったら

封印のある遺言書を家庭裁判所外で開封すると、5万円以下の過料の対象になります(民法1005条)。ただし開封しても遺言が無効になるわけではなく、検認を受ければそのまま手続きに使えます。開封した事情を正直に申立書に記載すれば、実際に過料が科される例は多くないとされています。

むしろ問題になるのは、遺言の内容に不満を持つ相続人から「開封時に改ざんしたのでは」と疑われることです。開封してしまった場合は、その場に居合わせた人を記録し、内容に手を加えずに速やかに申し立ててください。遺言の内容が相続税の特例(配偶者の税額軽減、小規模宅地等)に影響するため、検認後は早めに税理士に見せることをおすすめします。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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