相続税申告の税理士費用について、相見積もりをしてよいか迷う方がいます。結論はしてよいです。報酬は事務所ごとに決め方が違い、同じ財産でも総額に差が出ます。税理士の側も相見積もりは前提にしており、初回相談を無料にしている事務所が多いのはそのためです。
相見積もりの前に用意するもの
同じ条件で見積もってもらうために、次の情報をメモにして各事務所に同じ内容を伝えます。
- 亡くなった方の財産の概要(預貯金のおおよその残高、不動産の所在と数、株式・保険の有無)
- 相続人の人数と続柄
- 亡くなった日(申告期限は10か月後です)
- 希望する相談方法(来所・オンライン・訪問)
財産の金額が分からなくても、通帳の残高と固定資産税の課税明細書があれば十分です。
聞き方の例文
初回相談の最後や電話で、次のように伝えれば十分です。
「父が亡くなり、財産は自宅(土地1つ・建物1つ)と預金が約3,000万円、相続人は母と私と弟の3人です。申告をお願いした場合の総額の見積もりと、報酬に含まれる作業の範囲を書面でいただけますか。他の事務所にも同じ条件で伺っています。」
「他の事務所にも聞いている」と言ってよいか迷う方が多いのですが、伝えたほうが前提を揃えた見積もりが出やすくなります。
比べる順番
受け取った見積もりは、次の順番で見ると判断を誤りません。
- 料金体系の型:遺産額別+加算か、加算なしか、個別見積か。型が違うと総額の動き方が違います
- 総額(税込):基本報酬だけでなく、土地・建物・株式・相続人の加算を足した金額
- 含まれる作業:現地調査、通帳の確認、分割案の試算、書面添付、調査の立会い
- 増える条件:土地の評価が難しいとき、相続人が増えたとき、期限が近いときの追加
- 対応:担当者が税理士か、連絡の取りやすさ、相談方法
たとえば上の例文の条件で、当センターの料金表では遺産総額5,000万円までの区分で、基本報酬155,000円+土地100,000円+建物5,000円+相続人加算100,000円=360,000円(税込396,000円)となります。他の見積もりも同じ条件なら、総額と含まれる作業で並べて比べられます。
注意点
- 見積もりの数は2〜3件で十分です。多すぎると面談の時間が申告期限を圧迫します
- 金額だけで決めず、土地評価の進め方と税務調査への備えを聞いてください。報酬の差より税額の差のほうが大きいことがあります
- 申告期限まで2か月を切ると特急料金(当センターでは基本報酬の125%)がかかる事務所が多いため、相見積もりは四十九日を過ぎた頃から始めると余裕があります
まとめ
相見積もりは一般的で、同じ条件を伝えて総額と含まれる作業を書面でもらうのがコツです。当センターも無料相談で前提を明記した見積もりをお渡ししていますので、比較の1件としてご利用ください。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。