路線価図を見ると、すべての道路に路線価が付いているわけではありません。特に新しく造られた私道や、袋小路の奥の道路には路線価が付いていないことがあります。このような道路にしか接していない土地を評価するための仕組みが「特定路線価」です。
特定路線価の仕組み
特定路線価は、納税者の申出を受けて税務署長がその道路に設定する路線価です。設定されれば、その路線価を正面路線価として通常どおり奥行価格補正などを行って評価できます。路線価地域内の土地で、路線価のない道路(建築基準法上の道路など)に面している場合が対象です。
申請の手順
- 所轄の税務署に「特定路線価設定申出書」を提出する(提出先は、相続税の申告先の税務署です)
- 評価する土地の所在地、道路の状況が分かる図面(公図・住宅地図・写真など)を添付する
- 税務署が周辺の路線価や道路の状況を調べて特定路線価を回答する
回答までには数週間から1か月以上かかることがあります。相続税の申告期限は10か月ですから、土地の評価に取りかかった段階で早めに申し出ることが大切です。申出は相続が発生した年分の路線価を基に行うため、年が明けてから申請しても、前年分の路線価を基準に設定されます。
申請しない場合の評価
特定路線価の申出は義務ではありません。申出をしない場合は、その土地が接している路線価のない道路を無視し、近くにある路線価の付いた道路を正面路線とみなして、その道路からの奥行で評価する方法(無道路地に近い考え方や、旗竿地のような形で評価する方法)を検討します。
どちらが有利か
一般的には、特定路線価が設定されると、周辺の路線価より少し低い値になることが多く、評価額は安定します。一方、路線価のない道路を含めて近くの路線から不整形地・奥行長大などの補正を掛けて評価すると、場合によっては特定路線価による評価より低くなることがあります。
ただし、いったん特定路線価が設定されると、その路線価を使わずに別の方法で評価することは原則として認められません。申出をする前に、両方の方法で概算を比べてから判断するのが実務の進め方です。路線価のない道路に面した土地をお持ちの場合は、無料相談で評価方法の比較をご案内できます。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。