相続税申告の見積書は、合計金額だけ見て比べると判断を誤ります。前提が違えば同じ財産でも金額が変わるからです。受け取った見積書で確認したい7つのポイントを順に説明します。
確認する7つのポイント
1. 遺産総額の前提
基本報酬は遺産総額の区分で決まります。見積書に「遺産総額5,000万円として」と書かれていたら、その金額が小規模宅地等の特例を使う前か後か、債務や葬式費用を引く前か後かを確認します。前提が特例適用後なら、実際の財産は区分より大きいことがあり、評価が終わった後に区分が上がる可能性があります。
2. 土地・株式の数え方の単位
土地の加算は「1利用単位」「1筆」「1評価単位」など、事務所によって数え方が違います。自宅の敷地が2筆に分かれていても、一体で使っていれば1利用単位です。上場株式は「1銘柄」か「1件(証券会社の口座ごと)」かで件数が変わります。当センターは土地1利用単位100,000円〜、上場株式1件2,000円(いずれも税抜)です。
3. 加算の上限
相続人加算や土地加算に上限があるかを確認します。相続人が6人、土地が5つという場合、上限がないと加算だけで基本報酬を超えることがあります。上限がない場合は、総額が確定する条件を聞いておきましょう。
4. 追加費用が出る条件
見積書には「〜」が付く項目があります。当センターの土地評価は「100,000円〜」で、不整形地や広い宅地のように補正の検討が増える土地では金額が上がります。どんな場合にいくら増えるのか、増える前に連絡があるのかを確認してください。
5. 申告期限との関係
申告期限まで2か月未満のご依頼は、当センターでは基本報酬の125%です。見積書の金額が通常料金か特急料金かと、依頼をいつまでに決めれば通常料金になるかを確認します。
6. 税込表示か
税抜と税込が混在していると比較を誤ります。当センターは基本報酬90,000円(税込99,000円)のように両方を記載しています。他社の見積書が税抜なら1.1倍して比べてください。
7. 支払い時期と含まれない費用
着手金の有無、申告書提出時の残金、戸籍や残高証明書の実費、司法書士への登記費用など、見積書に含まれない費用を確認します。なお、税理士費用は相続税の債務控除にも相続税額の控除にもなりません。
見積書を比べるときの例
| 確認点 | 見積書A | 見積書B |
|---|---|---|
| 遺産総額の前提 | 特例適用前 | 特例適用後 |
| 土地の単位 | 1利用単位 | 1筆 |
| 税込表示 | あり | なし |
この例では、Bは実際の遺産総額が大きいと区分が上がり、自宅が2筆なら土地加算が2倍になり、税込にすると1.1倍になります。合計金額だけでは比べられないことが分かります。
まとめ
見積書は前提・単位・上限・追加条件・期限・税込・支払い時期の7点を確認すれば、総額を正しく比べられます。当センターは料金表を公開し、無料相談で前提を明記した見積もりをお渡ししています。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。