相続税申告の税理士費用には事務所によって差がありますが、申告書そのものの作り方に違いはほとんどありません。差が出るのは省こうと思えば省ける作業をどこまでするかと、事務所の運営コストの2つです。前者は税額に影響するため、費用を比べるときはここを見る必要があります。
差が出る作業
| 作業 | 省いた場合 | 行った場合 |
|---|---|---|
| 土地の現地確認 | 路線価×面積で評価 | 形状・高低差・道路付け・騒音などの減額要因を確認 |
| 役所の調査 | 用途地域だけ確認 | 都市計画道路の予定、セットバック、容積率の違いを調査 |
| 評価の減額の検討 | 補正を使わない | 不整形地・間口狭小・地積規模の大きな宅地などの補正を適用 |
| 通帳の確認 | 残高証明書のみ | 数年分の入出金から名義預金・生前贈与を検討 |
| 分け方の試算 | 相続人の希望どおりに計算 | 配偶者の税額軽減と二次相続を含めて複数案を試算 |
| 書面添付 | なし | 税理士法33条の2の書面を添付し、調査前の意見聴取に対応 |
数字で見る違い
自宅の土地(路線価20万円/㎡、200㎡、評価額4,000万円)が不整形地で、かげ地割合30%の場合、普通住宅地区の不整形地補正率は0.90です。補正を適用すると評価額は3,600万円となり、400万円下がります。税率が15%の区分なら税額の差は60万円です。
当センターの土地評価の加算は100,000円〜(税込110,000円〜)ですから、この1項目の検討だけで加算を上回る差が出ます。費用が安くても補正を検討しない事務所と、費用が高くても検討する事務所では、支払う合計(報酬+税額)が逆転することがあります。
運営コストによる差
一方で、作業の中身が同じでも、事務所の立地や広告費、担当者の人数で費用が変わります。この差は税額に影響しないため、作業の中身が同じなら安いほうを選んで問題ありません。当センターが基本報酬を遺産総額4,000万円まで90,000円(税込99,000円)にできているのは、相続税申告に特化して作業を定型化しているためで、現地確認や通帳の確認を省いているからではありません。
見分け方
- 「土地は現地を見ますか」「通帳は何年分見ますか」と聞いて、手順を具体的に答えられるか
- 見積書に「含まれる作業」が書かれているか
- 書面添付の可否と費用(当センターは80,000円、税込88,000円)を示せるか
高い税理士が必ず丁寧とは限らず、安い税理士が必ず作業を省いているとも限りません。費用ではなく作業の中身で確認してください。
注意点
税理士費用は相続税の債務控除にならず、相続税額からも引けません。「報酬が高くても税額が下がれば得」という判断をするときは、評価の減額が実際に見込めるか(土地の形状や広さ)を面談で聞いてから決めてください。
まとめ
費用の差は、現地確認・減額の検討・通帳の確認・書面添付をするかどうかで生まれます。当センターは料金表で加算を公開し、無料相談で作業の中身をご説明しています。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。