中小企業のオーナーが亡くなると、後継者は換金できない自社株に高額の相続税を払わなければならず、事業の継続が難しくなることがあります。事業承継税制は、後継者が引き継いだ自社株にかかる相続税・贈与税の納税を猶予し、要件を満たし続ければ最終的に免除する制度です。
特例措置の内容(2018年〜)
- 対象株式:すべての株式(一般措置は3分の2まで)
- 猶予割合:相続税・贈与税とも100%(一般措置の相続税は80%)
- 後継者は最大3人まで
- 雇用維持要件(5年平均8割)を満たせなくても、理由を報告すれば猶予が継続
期限
- 特例承継計画を都道府県に提出:2026年3月31日まで
- 対象となる相続・贈与:2027年12月31日まで
計画の提出期限が先に来ます。利用を考えている場合は、早急に認定経営革新等支援機関(税理士など)に相談してください。
主な要件
- 会社が中小企業であり、資産管理会社(不動産や有価証券の保有が主な会社)でないこと
- 先代経営者が代表者であった(相続のときは筆頭株主など)こと
- 後継者が相続後5か月以内に代表者になり、議決権の過半数を持つこと
- 承継後5年間は代表者を続け、株式を保有し続けること
- 5年経過後も、株式を売却したり会社を解散したりすると猶予が打ち切られる
注意点
猶予は「免除が確定するまでの猶予」であり、途中で要件を外れると猶予税額と利子税をまとめて納めます。長期間にわたる報告義務もあるため、将来の経営方針を踏まえて利用の是非を判断します。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。