「生まれる国は選べない」という人生シミュレーターが話題ですが、相続税も「生まれた家」で決まる税金です。国税庁が毎年公表する「相続税の申告事績」から、どのくらいの家にかかっているのかを見てみます。結論から書くと、相続税の申告が必要だった人は、亡くなった人の約9.9%(令和5年分)。10人に1人です。
統計の数字
国税庁の公表資料(令和5年分)の主な数字です。
- 亡くなった人(被相続人):約158万人
- そのうち相続税の課税対象になった人:約15万6,000人(課税割合 9.9%)
- 課税価格の合計:約20兆7,000億円
- 相続税額の合計:約3兆1,000億円
- 課税対象1人あたり:課税価格 約1億3,300万円、税額 約2,000万円
2014年までは課税割合が4%台でしたが、2015年に基礎控除が「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」から「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に下がり、翌年から8%台に倍増しました。その後も地価の上昇とともに、じわじわ増えています。
「かかる家」の財産の中身
課税対象になった財産の内訳は、おおむね次の順です。
- 土地(約3分の1):自宅の敷地が中心。都市部では自宅だけで基礎控除に届きます
- 現金・預貯金(約3分の1):退職金や、長年の貯蓄
- 有価証券(1割強):上場株式・投資信託
- 家屋・生命保険金・その他
つまり「相続税がかかる家」の典型は、資産家ではなく、都市部に自宅を持ち、退職金を含む預貯金が数千万円ある、ごく普通の家です。大阪市内や阪急沿線、神戸の東灘・灘、京都の中心部では、自宅の土地が150㎡あれば、それだけで3,000万円を超えることが珍しくありません。実家の土地の評価の見当のつけ方は別の記事にまとめています。
10人に1人に入っていても、税額0円の家は多い
課税対象の15万6,000人の中には、申告はしたけれど税額が0円だった家がかなり含まれます。自宅を配偶者や同居の子が相続して小規模宅地等の特例で土地の評価を8割下げたり、配偶者の税額軽減を使ったりすると、申告は必要でも納税は無い、という形になるからです。「かかるかどうか」と「いくら払うか」は、別の問題です。
自分の家がどちらかを確かめる
財産のおおよその額と家族構成を相続税シミュレーションに入れると、基礎控除と比べた結果と、税額の目安がその場で出ます。基礎控除を少し超える程度なら、特例で0円になるかどうかを無料相談で確かめてください。10人に1人に入るかどうかは、亡くなってから分かるのではなく、今日分かります。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。