「実家の土地を相続したら、税金はいくらかかるのか」。相続の相談で最初に聞かれる質問です。結論から書くと、実家の土地の評価額は、固定資産税の納税通知書に書いてある面積に、国税庁の路線価を掛ければ3分で概算できます。これに建物の固定資産税評価額と預貯金・生命保険金を足して、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)と比べれば、相続税がかかるかどうかが分かります。 そして、親と同居していた子や持ち家の無い子が相続するなら、土地の評価が80%下がる特例で、かからなくなる家も多くあります。
3分でできる概算の手順
- 固定資産税の納税通知書を出す:毎年4〜6月に市から届きます。「課税明細書」に土地の地積(㎡)と建物の評価額が書いてあります
- 路線価を調べる:国税庁の「路線価図」で実家の前の道路の数字を見ます。「300D」なら1㎡あたり30万円です。路線価が無い地域は「倍率表」で固定資産税評価額×倍率です
- 土地の評価=路線価×地積:150㎡×30万円=4,500万円。間口が狭い、形がいびつ、奥行きが長いといった土地はここから下がります(概算ではそのまま)
- 建物の評価=固定資産税評価額そのまま:古い家なら数十万〜数百万円です
- 預貯金・株式・生命保険金(500万円×法定相続人の数を超える分)・亡くなる前7年の贈与を足す
- 基礎控除と比べる:相続人が配偶者と子2人なら4,800万円、子2人だけなら4,200万円
相続税シミュレーションに数字を入れれば、税額と配偶者の税額軽減の効果まで出ます。
大阪の例
| 実家の場所 | 土地150㎡の評価の目安 | 預貯金2,000万円を足した合計 | 相続人が子2人(控除4,200万円) |
|---|---|---|---|
| 大阪市北区・天王寺区の住宅地 | 路線価40〜60万円 → 6,000万〜9,000万円 | 8,000万〜1.1億円 | かかる |
| 豊中・吹田の阪急沿線 | 路線価25〜35万円 → 3,750万〜5,250万円 | 5,750万〜7,250万円 | かかる |
| 枚方・寝屋川の住宅地 | 路線価12〜18万円 → 1,800万〜2,700万円 | 3,800万〜4,700万円 | 超えることがある |
| 豊能町・能勢町 | 路線価3〜7万円 → 450万〜1,050万円 | 2,450万〜3,050万円 | かからないことが多い |
路線価は場所でまったく違うので、必ず実家の前の道路の数字で計算してください。
80%下がる特例:誰が相続するかで決まる
亡くなった親が住んでいた自宅の土地は、小規模宅地等の特例で330㎡まで評価が80%下がります。上の例の6,000万円の土地なら1,200万円になり、相続税がかからなくなる家が多くあります。使えるのは次の人が相続したときです。
- 配偶者(無条件)
- 同居していた子(申告期限まで住み続けて持ち続ける)
- 持ち家の無い子(「家なき子」。亡くなった親に配偶者も同居の相続人もいないことなど要件あり)
持ち家のある子が相続すると使えません。「誰が相続するか」で税額が数百万円変わるので、相続税がかかりそうな家は、分け方を先に考えます。小規模宅地等の特例の基礎、実家が空き家のときの家なき子
相続税が払えないとき
実家の土地は現金になりません。預貯金が少なく税額が大きい家では、次の順で考えます。
- 特例と評価の見直しで税額そのものを下げる:上の特例に加え、不整形地・間口狭小・がけ地などの減額を漏らさない
- 延納:担保を入れて最長20年の分割払い(利子税がかかる)。延納・物納
- 売る:相続後3年10か月以内に売れば相続税の一部を取得費に加算でき、誰も住まない家なら空き家の3,000万円控除が使える場合がある
- 生前なら生命保険で納税資金を用意する:受取人を相続人にしておけば、相続後すぐに現金になる。生命保険で納税資金を準備する
概算のあとにやること
概算で基礎控除を超えそうなら、申告が必要です(特例で税額がゼロになる場合も申告は要ります)。超えないなら申告は不要ですが、名義預金や生前贈与の足し忘れで超える家があるので、一度は財産を全部書き出してください。基礎控除以下なら申告不要?。当センターの初回相談は無料で、納税通知書と預貯金のメモがあれば、その場で税額と「誰が相続すると特例が使えるか」をお伝えします。申告が必要な場合の報酬は基本報酬99,000円(税込)からです。
まとめ
実家の土地の相続税は、納税通知書の面積×路線価で概算し、建物・預貯金・保険金を足して基礎控除と比べれば分かります。同居の子か持ち家の無い子が相続すれば土地の評価は80%下がり、かからなくなる家が多くあります。払えないときは、評価の見直し → 延納 → 売却 → 生前の保険、の順で考えてください。無料相談はこちらからどうぞ。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。