相続税申告を税理士に依頼するメリットは、手間が減ることだけではありません。大きいのは土地の評価額を適正に下げられることです。土地の評価は「路線価×面積」が出発点ですが、形状や広さに応じた補正を適用すると評価額が下がり、税額も下がります。
土地評価で税額が変わる2つの例
例1:不整形地の補正
自宅の敷地200㎡、路線価20万円/㎡の場合、補正を使わなければ評価額は4,000万円です。この土地が台形や旗竿状で、想定整形地に対するかげ地割合が30%なら、普通住宅地区の不整形地補正率は0.90です。
- 補正前:20万円×200㎡=4,000万円
- 補正後:4,000万円×0.90=3,600万円
- 評価額の差:400万円
税率が15%の区分なら税額は約60万円、20%なら約80万円下がります。かげ地割合の計算には図面から想定整形地を描く作業が必要で、見落とされやすい補正の一つです。
例2:地積規模の大きな宅地
三大都市圏で500㎡以上(それ以外の地域は1,000㎡以上)の宅地は、要件を満たせば「地積規模の大きな宅地の評価」が使えます。500㎡、路線価20万円/㎡の宅地では、規模格差補正率は(500㎡×0.95+25)÷500㎡×0.8=0.80です。
- 補正前:20万円×500㎡=1億円
- 補正後:1億円×0.80=8,000万円
- 評価額の差:2,000万円
税率が30%の区分なら税額は約600万円下がります。適用には、普通住宅地区などの地区区分、市街化調整区域でないこと、容積率が400%(東京23区は300%)未満であることなど、役所で確認する要件があります。
補正の例と確認の方法
| 補正 | 確認すること |
|---|---|
| 不整形地 | 公図・測量図から想定整形地とかげ地割合を計算 |
| 間口が狭い・奥行きが長い | 間口距離と奥行距離を現地で確認 |
| 地積規模の大きな宅地 | 面積・地区区分・容積率・調整区域を役所で確認 |
| 道路との高低差・騒音 | 現地で確認し、利用価値の低下を検討 |
| セットバック・都市計画道路 | 役所の道路台帳・都市計画図で確認 |
これらは現地と役所の調査をしないと分からず、調査を省くと見落とされやすい点です。
費用との比較と注意点
当センターの土地評価の加算は1利用単位100,000円〜(税込110,000円〜)です。例1なら土地の評価だけで加算の数倍の税額差が出る計算になります。
- 補正はどの土地にも使えるわけではなく、要件を満たすかは個別の確認が必要です
- 評価額を下げすぎると税務調査で否認されることがあります。根拠となる図面や役所の資料を申告書に添えることが大切です
- 税理士費用は相続税の債務控除にならず、税額からも引けません。税額の差と費用を別々に比べて判断してください
まとめ
土地があれば、補正の適用で評価額が数百万円から数千万円変わることがあり、税理士費用を上回る税額の差になります。土地の形状や広さを伺えば減額の見込みをお伝えします(無料相談)。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。