会社を経営していた方が亡くなった場合、保有していた**自社の株式(非上場株式)**が相続財産になります。上場していないため市場価格がなく、国税庁の定める方法で評価しますが、業績の良い会社や含み益のある不動産を持つ会社では、評価額が数億円になることもあります。
評価の方法(同族株主の場合)
会社の規模(従業員数・売上・総資産)に応じて、次の方法を組み合わせます。
- 類似業種比準方式:同じ業種の上場会社の株価をもとに、配当・利益・純資産の3要素を比較して計算する。大会社に適用
- 純資産価額方式:会社の資産を相続税評価額に置き換え、負債と含み益に対する法人税相当額を引いた純資産を株数で割る。小会社に適用
- 併用方式:中会社は両者を一定割合で併用
同族株主以外の少数株主は、配当還元方式というより低い評価になります。
税額が大きくなる理由
自社株は換金できないのに評価額が高く、納税資金に困る典型的な財産です。会社が利益を積み上げてきたほど、純資産が増えて評価が上がります。
事前の対策
- 事業承継税制:後継者が株式を相続・贈与で引き継いだ場合に、相続税・贈与税の納税を猶予・免除する制度。特例措置は2027年12月末までの相続・贈与が対象で、2026年3月末までに特例承継計画の提出が必要です
- 役員退職金の支給や配当方針の見直しによる株価対策
- 生前贈与(相続時精算課税)や持株会社の活用
- 死亡退職金による納税資金の確保
自社株の評価には決算書と税務申告書が必要で、計算も複雑です。経営者の相続は、早い段階から専門家と対策を検討することをおすすめします。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。