「マンションを1室買うより少額で不動産を持てて、相続税の評価も下がる」と勧められるのがJ-REITや不動産小口化商品です。結論から書くと、上場REITは上場株式と同じ方法で評価し、任意組合型・信託受益権型の小口化商品は今は不動産として評価しますが、2027年1月1日以後の相続・贈与からは時価で評価する改正が決まっています。
種類ごとの評価方法
| 種類 | 相続財産の性質 | 評価方法 |
|---|---|---|
| 上場J-REIT(投資口) | 上場株式と同じ | 課税時期の終値、当月・前月・前々月の各月の終値平均のうち最も低い価額 |
| 不動産小口化商品(任意組合型) | 組合財産である不動産の持分を直接持つ | 持分に応じた土地(路線価)・建物(固定資産税評価額)。貸していれば貸家・貸家建付地 |
| 不動産小口化商品(信託受益権型) | 信託財産である不動産を受益者が持つものとみなす | 同上 |
| 不動産小口化商品(匿名組合型) | 営業者に対する出資 | 課税時期に契約が終了したとした場合に受け取れる分配額 |
上場REITは証券会社の残高証明書に課税時期の価額が載り、計算は上場株式と同じです(投資信託・ETF・REITの評価)。任意組合型は、組合が持つ賃貸ビルやマンションを出資割合で持っている扱いなので、評価は不動産そのものの評価です。都心の物件では時価より大きく低い評価になることがあり、ここが「節税商品」と言われた理由でした。貸付事業用の小規模宅地等の特例も要件を満たせば使えるとされてきましたが、相続開始前3年以内の取得は原則対象外です。
2027年からの時価評価
令和8年度税制改正で、任意組合型・信託受益権型の不動産小口化商品は、取得時期にかかわらず相続開始時または贈与時の通常の取引価額(時価)で評価することになりました。適用は2027年1月1日以後の相続・贈与からで、すでに持っている商品にも及びます(改正の内容)。改正前であっても、相続直前に大きな金額を入れた場合は、総則6項で時価評価とされた最高裁判決と同じ考え方で否認される余地があります。
相続対策として勧められたときの確認点
- 評価の前提:「評価が下がる」と言われたら、2027年以後の相続でも同じかを聞く。2027年以後は評価額と時価の差はなくなる前提で考える
- 換金性:中途売却の可否、売却先が運営会社に限られないか、売却までの期間と手数料。相続後に相続人が現金化したいときに困らないか
- 分配と費用:分配利回り、運営報酬、修繕費の負担、契約期間の満了時に不動産を売却して清算する仕組みか
- 相続時の手続き:名義変更の方法と、相続人の間で持分を分けられるか。1口単位で分けやすい反面、相続人ごとに運営会社への届出が要る
- 他の財産との組み合わせ:区分マンションを直接持つ場合の評価や自宅の小規模宅地等の特例のほうが効果が大きいこともある
当センターでは、REIT・小口化商品・区分マンションを合わせた財産評価と相続税の試算を、2027年以後の評価も含めてお出ししています。相続税申告は基本報酬99,000円(税込・遺産総額4,000万円まで)からで、初回相談は無料です。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。