国税庁の路線価図は、記号の意味さえ分かれば一枚で評価の出発点がそろう資料です。結論から書くと、「300D」なら1㎡あたり30万円・借地権割合60%で、数字を囲む形が地区区分、両端の矢印が価額の及ぶ範囲、使うのは亡くなった年の図です。
数字は千円単位の1㎡あたり価額
道路に沿って書かれた数字は、その道路に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価額を千円単位で表します。「300」なら30万円/㎡、「85」なら8万5千円/㎡です。評価の基本は「路線価×補正率×地積」なので、たとえば300Dの道路に面する150㎡の整形地は、補正がなければ30万円×150㎡=4,500万円です。路線価方式と倍率方式の見分け方は路線価地域と倍率地域の違いに書いています。
アルファベットは借地権割合
数字の後ろの記号は、その道路に面する土地の借地権割合です。図の上部の凡例に載っています。
| 記号 | A | B | C | D | E | F | G |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 借地権割合 | 90% | 80% | 70% | 60% | 50% | 40% | 30% |
自分で使っている土地なら割合は関係ありません。他人に貸している土地(貸宅地)、借りている土地(借地権)、アパートの敷地(貸家建付地)を評価するときに使います。大阪の住宅地はC〜Dが多く、商業地ほど高い割合になります。
囲みの形は地区区分
数字を囲む形は、その道路沿いの土地の用途地区を表し、奥行価格補正率や不整形地補正率はこの地区区分ごとに表が違います。
- 囲みなし:普通住宅地区(住宅地の大半)
- 上下が直線の楕円(角の丸い長方形):普通商業・併用住宅地区
- 楕円:繁華街地区
- 丸:高度商業地区
- 四角:ビル街地区
- 菱形:中小工場地区
- 横長の六角形:大工場地区
囲みの一部が黒く塗られていたり斜線になっていたりするのは、その地区区分が道路の片側だけ、または道路沿いの土地だけに当てはまることを表します。地区区分を取り違えると、奥行価格補正の率が変わり評価額がずれます。
矢印の範囲と、どの年の図を使うか
数字の両端にある矢印は、その路線価が及ぶ範囲を示します。矢印の切れ目で別の価額に変わるので、長い道路では自分の土地が面している区間の数字を読みます。角地や二つの道路に面する土地は、正面路線(奥行価格補正後の単価が高い方)を決めてから側方・二方路線影響加算をします。路線価図には地番が載っていないので、公図や住宅地図と重ねて土地の位置を特定します。
路線価はその年の1月1日時点の価額として毎年7月初めに公表され、1月1日から12月31日までに開始した相続に使います。1月から6月に亡くなった場合は、7月の公表を待ってから評価します。前年の図で仮計算はできますが、申告には使えません。過去の年分は国税庁のサイトで数年分を閲覧できます。評価明細書の書き方では、ここで読んだ数字をどの欄に書くかを説明しています。
路線価図を読めれば概算はできますが、補正の判断は現地と役所の資料を見てからになります。当センターは初回相談が無料で、相続税申告は基本報酬99,000円(税込・遺産総額4,000万円まで)から、土地の評価は1か所110,000円(税込)からです。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。