相続税の税務調査、8割超で申告漏れ|国税庁「令和6事務年度」の数字で見る調査の実態と対策

国税庁公表の令和6事務年度の相続税調査では、実地調査9,512件の82.3%で申告漏れが見つかり、1件あたりの追徴税額は867万円でした。無申告の調査は1件あたり2,187万円。狙われやすい財産と申告前の対策をまとめます。

国税庁は毎年、相続税の税務調査の結果を公表しています。2025年12月に公表された「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」(2024年7月〜2025年6月)の数字を、結論から書きます。実地調査に入られた場合、8割を超える件数で申告漏れが指摘され、1件あたりの追徴税額は約867万円でした。

公表された主な数字

  • 実地調査の件数:9,512件(前年度比111.2%)
  • 申告漏れ等があった件数:7,826件(調査件数の82.3%)
  • 追徴税額の合計:824億円
  • 実地調査1件あたりの申告漏れ課税価格:3,093万円
  • 実地調査1件あたりの追徴税額:867万円

無申告(申告書を出していなかった人)に対する調査は650件で、追徴税額は142億円、1件あたり2,187万円でした。申告をしていた人の調査よりも、1件あたりの追徴が2.5倍ほど重くなっています。

また、調査官が自宅に来る実地調査とは別に、文書や電話で確認する「簡易な接触」も増えており、申告漏れ等が見つかった件数は5,796件でした。電話や「お尋ね」で済むからといって、軽く見ることはできません。

数字から分かること

  1. 調査に入られたら、ほぼ何かが見つかる:82.3%という割合は、調査先を選ぶ段階で税務署が申告漏れの可能性が高い案件を絞り込んでいることを示しています。預金の動きや不動産の情報は、調査の前に把握されています
  2. 現金・預貯金が中心:申告漏れになる財産は、例年、現金や預貯金が最も多くなっています。名義預金、亡くなる直前の引き出し、タンス預金が典型です
  3. 無申告がいちばん重い:基礎控除を超えているのに申告していないと、本税に加えて無申告加算税と延滞税がかかります。1件あたりの追徴が2,000万円を超えるのは、財産が大きい案件が多いためです

申告前にできる対策

  • 亡くなった方の口座だけでなく、家族名義の口座も含めて過去の入出金を確認する。名義預金の判断基準は通帳・印鑑の管理と贈与の記録です
  • 亡くなる前後の大きな出金は、使い道を書き残す。葬儀費用や医療費なら領収書を保管します
  • 基礎控除をわずかに超えるかどうか微妙な場合も、財産を漏れなく足して確かめる。相続税がかかるかどうかの確かめ方を参考にしてください

まとめ

令和6事務年度の相続税調査は件数・追徴税額ともに増え、実地調査の8割超で申告漏れが見つかっています。調査は申告から1〜2年後に来ることが多く、申告書の作り方で結果が変わります。当センターでは、申告書に税理士法33条の2の書面を添付し、調査の前に税理士が説明する体制をとっています。初回相談は無料です。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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