結論から書くと、亡くなった方の口座を探すときは、まず「相続時預貯金口座照会」を申し込むと効率がよいです。ただし見つかるのは、生前にマイナンバーを届け出ていた(付番していた)口座だけなので、通帳や郵便物からの調査は今までどおり必要です。
どんな制度か
2024年4月に施行された「口座管理法」(預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律)にもとづく制度で、相続時の照会は2025年(令和7年)4月1日に始まりました。
- 相続人(包括受遺者を含む)が、取引のある・なしにかかわらず、1つの金融機関の窓口で申し込む
- 預金保険機構が、亡くなった方のマイナンバーにひもづく口座がどの金融機関にあるかを各金融機関に照会する
- 結果は書面で郵送され、申込みから届くまで1か月ほどかかる
マイナンバーは機構が住民基本台帳ネットワークから取得するので、相続人が亡くなった方のマイナンバーを用意する必要はありません。申込みには戸籍など相続人であることが分かる書類が要ります。必要書類は窓口の金融機関で確認してください。
見つからないもの
この照会には限界があります。
- マイナンバーを付番していない口座:付番は本人の同意が前提で、まだ付番していない口座が多くあります。2018年からの「預金口座へのマイナンバーの届出」も任意です
- 証券口座・保険:対象は預金保険制度の対象の金融機関(銀行・信用金庫・信用組合など)の預貯金口座です。証券会社の口座はほふり(証券保管振替機構)の登録済加入者情報の開示請求、生命保険は生命保険協会の照会制度で別に探します
- 残高:分かるのは口座がある金融機関で、残高はそれぞれの金融機関で残高証明書を取ります
通帳、キャッシュカード、金融機関からの郵便物やカレンダー、ネット銀行のアプリの有無も確かめてください。相続税の申告で口座が漏れると、税務署は金融機関への照会で見つけます(税務調査で通帳は何年分見られるか)。
生前にできる準備
親が元気なうちにできるのが口座へのマイナンバーの付番です。マイナポータルか金融機関の窓口で届け出ます。口座管理法の仕組みで、1つの金融機関の窓口から、ほかの金融機関の口座にもまとめて付番を申し出ることができます。付番しておけば、相続のときに家族がこの照会で口座を見つけやすくなります。
あわせて、口座の一覧(金融機関名・支店・種類)をエンディングノートに書いておくと、相続人の負担は大きく減ります。使っていない口座は生前に解約してまとめておくと、相続のときに残高証明や解約の手続きの数も減らせます。
当センターでは、口座の洗い出しから残高証明の取り寄せ、相続税の申告まで一貫してお手伝いします。相続税の申告は基本報酬99,000円(税込)から、初回相談は無料です。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。