国が引き取った「相続土地」を最大93%引きで売却する案|財務省が示した仕組みと、いらない土地を相続した人への影響

相続土地国庫帰属制度で国が引き取った土地について、財務省は評価額を段階的に下げて民間に売る案を審議会に示しました。最大で当初の7%まで下がります。制度が始まって3年、いらない土地を相続した人が知っておきたい点を整理します。

相続したものの使い道がない土地を国に引き取ってもらう「相続土地国庫帰属制度」は、2023年4月に始まって3年が経ちました。結論から書くと、国が引き取った土地はこれまでほとんど売れておらず、財務省は評価額を最大93%下げてでも民間に売る案を審議会に示しました(2026年10月時点で、審議会としての結論は報じられていません)。相続人が払う負担金の仕組みは変わりませんが、「国に渡せば終わり」という制度の受け止め方は、少し見直す必要があります。

財務省が示した仕組み

財務省は2026年6月、財政制度等審議会の国有財産分科会に、国が引き取った相続土地の売却を促す案を示しました(日本経済新聞ほか)。報道によると、内容は次のとおりです。

  • 一般競争入札だけでなく、随意契約での売却を可能にする
  • 測量や地下埋設物の調査をしない「現状有姿」で売る
  • 評価額をまず3割程度下げ、買い手がなければ3か月ごとに1割ずつ下げる
  • 下限は当初の評価額の7%(最大93%の引き下げ)

背景には、報道によると、これまで国が引き取った土地を入札にかけても、宅地などの売却実績がゼロで、維持管理の費用だけが増えている事情があります。

相続人にとって何が変わるか

制度そのものの要件や負担金(原則20万円、土地によって加算)は変わりません。変わるのは「国に渡した後」の扱いです。ここから考えられることが2つあります。

  1. 自分で売れる土地なら、先に売却を検討する:国が最終的に当初の7%の価格で手放すなら、相続人が地元の不動産会社や隣地の所有者に安くても売ったほうが、負担金(20万円〜)と手続きの手間を省ける場合があります
  2. 引き取りの審査が今後どう変わるかは未定:売れない土地が増えれば、引き取りの運用が厳しくなる可能性があります。使わない土地は、相続登記(3年以内の義務)を済ませたうえで早めに方針を決めるのが安全です

制度の要件と負担金は相続土地国庫帰属制度の記事で解説しています。

相続税の申告との関係

国庫帰属の申請をしても、相続税の申告では、その土地を相続した人が相続財産として評価して申告します。山林や原野は倍率方式で評価額が小さいことが多いものの、申告から外すことはできません。承認されて国に渡した後も、相続税が返ってくることはありません。

まとめ

国が引き取った相続土地は、大幅に値下げして民間に売る案が示されています。いらない土地を相続したときは、「国庫帰属」だけでなく「安くても自分で売る」「隣地に引き取ってもらう」を含めて比べてください。相続税の申告では、引き取ってもらう予定の土地も評価して申告が必要です。土地の評価と申告は当センターにご相談ください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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