亡くなった月の家賃は誰のもの?|未収家賃は相続財産、前受家賃は債務。相続税申告と準確定申告での扱い

賃貸オーナーが亡くなった場合、支払期日が来ているのに入金されていない家賃(未収家賃)は相続財産として申告し、翌月分を前月に受け取る契約で死亡後の期間に対応する家賃(前受家賃)は債務として控除します。亡くなった月の家賃の帰属、準確定申告の収入計上、相続人の不動産所得との線引きを、契約の支払期日を基準に整理します。

「父が15日に亡くなった。今月の家賃は父のものか、相続人のものか」。賃貸オーナーの相続で、相続税申告と準確定申告の両方に関わる質問です。結論から書くと、基準は契約で決まった支払期日です。支払期日が相続開始日までに来ている家賃は亡くなった方のもの、来ていない家賃は相続人のものと扱います。日割りにはしません。

相続税申告での扱い

  • 未収家賃:支払期日が相続開始日以前なのに入金されていない家賃は、亡くなった方の債権なので、相続財産として計上します(貸付金と同じ扱い)。滞納が長く回収の見込みがない分は、回収不能として評価しないことができますが、要件は厳格です
  • 前受家賃:「翌月分を当月末までに払う」契約で、亡くなった日より後の期間に対応する家賃をすでに受け取っていた場合、その分は相続人が引き継ぐ義務(前受収益)として債務控除の対象になります
  • 亡くなった月の家賃:たとえば「当月分を当月末日払い」の契約で15日に亡くなった場合、支払期日(月末)は相続開始後なので、その月の家賃は丸ごと相続人の収入です。相続財産にも、亡くなった方の所得にも入りません

準確定申告での扱い

亡くなった方の1月1日から死亡日までの不動産所得は、相続人が4か月以内に準確定申告します。収入に計上するのは、支払期日が死亡日までに来ている家賃です。未収でも計上します(権利確定主義)。前受家賃は、死亡日までの期間に対応する分だけを収入にし、残りは相続人の収入になります。

相続人の不動産所得

死亡日の翌日以降に支払期日が来る家賃は、相続人の不動産所得です。遺産分割がまとまるまでの家賃は、法定相続分で各相続人の所得になり、分割後は物件を取得した人の所得になります。分割前の家賃を「物件を取得した人のもの」として遡らせることは、税務上はできません。

実務での整理表

家賃 相続税申告 準確定申告 相続人の所得
支払期日が死亡日以前・入金済み 預金として財産 収入 -
支払期日が死亡日以前・未入金 未収家賃として財産 収入 入金時は所得にしない
支払期日が死亡日より後 - - 収入
死亡後の期間分を前受 債務控除 死亡日までの期間分のみ収入 残りは収入

管理会社が家賃を集金している場合、死亡月の送金明細を取り寄せ、どの家賃がどの期間に対応するかを契約書と照らし合わせます。当センターでは、相続税申告と準確定申告をあわせてお受けし、この整理表の形で各家賃を振り分けています。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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