区分マンションを子に贈与する|貸家の評価と区分所有補正、暦年と精算課税の使い分け、登録免許税2%・不動産取得税、ローン付きの注意

投資用の区分マンションを生前に子へ贈与すると、以後の家賃は子の所得になり、親の財産の増加を止められます。贈与税の評価は相続と同じで、貸していれば貸家・貸家建付地の減額と区分所有補正が入ります。暦年贈与と相続時精算課税の使い分け、登録免許税2%と不動産取得税の負担、ローンが残っていると負担付贈与で時価評価になる注意点を整理します。

「家賃収入が自分の口座に貯まる一方なので、マンションごと子に渡したい」という相談があります。結論から書くと、贈与税の評価は相続と同じ方法で計算し、ローンがなく評価額が枠に収まるなら相続時精算課税が使いやすく、ローンが残っていれば負担付贈与として時価評価になるため先に完済するか贈与を見送ります。

贈与税の評価

評価は相続のときと同じで、敷地権(敷地全体の路線価評価×敷地権割合)+建物(固定資産税評価額)に区分所有補正率を掛け、貸していれば建物は貸家(30%減)、敷地は貸家建付地として減額します。築古で低層階の室は補正が入らないか減額になることもあり、新しい高層階の室は補正で評価が上がります。贈与する室の評価額を先に出すことが出発点です。

暦年贈与と相続時精算課税

暦年贈与 相続時精算課税
非課税枠 年110万円 累計2,500万円+年110万円の基礎控除(2024年以後)
枠を超えた分 10〜55%の累進 一律20%
相続時 相続開始前7年以内の贈与は相続財産に加算 2,500万円の枠内の贈与は贈与時の評価額で加算(年110万円以下の部分は加算なし)
小規模宅地等の特例 加算される贈与財産には使えない 使えない
向く場合 評価額の低い室を、相続人でない孫などへ 評価額が数百万〜2,000万円台の室を一度に

区分マンション1室の評価額は数百万〜2,000万円台に収まることが多く、相続時精算課税の枠内で一度に渡せます。精算課税は相続時に贈与時の評価額で加算されるので相続税そのものが減るわけではありませんが、贈与後の家賃が子に移ることで親の財産の増加を止められます。暦年贈与で1室を渡すと税率が高くなり、7年加算の影響も受けます。精算課税は一度選ぶと、その親からの贈与は暦年に戻せません。

登録免許税と不動産取得税

相続 贈与
登録免許税 固定資産税評価額の0.4% 2%
不動産取得税 かからない 土地・住宅は3%(2027年3月31日まで。宅地は評価額の2分の1が課税標準)

評価額1,500万円の室なら登録免許税で24万円の差があり、不動産取得税が別に数十万円かかる計算です。相続なら不要なこの費用を、家賃が子に移るメリットが上回るかを見ます。

注意点

  • ローン付き:残債を子が引き継ぐ形で贈与すると負担付贈与になり、評価額ではなく時価で贈与税を計算し、親には譲渡所得も生じます。金融機関の承諾も要ります
  • 敷金:入居者から預かった敷金を子にそのまま引き継がせると負担付贈与と扱われる場合があるため、敷金相当額の現金を一緒に渡します(建物だけを贈与する場合の敷金の扱い)
  • 贈与後の家賃:贈与した後の期間の家賃は子の不動産所得です。子が確定申告をし、親の口座に振り込ませたままにしません
  • 2027年以後の改正:2027年1月1日以後に親が取得する貸付用不動産は時価の8割で評価されるため、新しく買って贈与する対策には効きません

当センターでは、贈与する室の評価額、暦年と精算課税それぞれの税額、登記と取得税の費用を並べた比較表をお作りし、相続税の試算とあわせてご提案しています。相続税申告は基本報酬99,000円(税込・遺産総額4,000万円まで)からで、初回相談は無料です。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

ご自身のケースではどうなるか、無料相談で確認できます。

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