市街化区域の畑の相続税はいくら|路線価12万円×1,000㎡の計算例と納税猶予を使う場合・使わない場合の違い

市街化区域の畑は宅地比準方式(路線価×地積−宅地造成費)で宅地並みに評価され、路線価12万円の畑1,000㎡なら評価額は約1億1,800万円です。子2人が相続する例で基礎控除から相続税の総額1,360万円までを順に計算し、農業を継いで納税猶予を受ける場合に申告期限に納める税額がどう変わるか、猶予の条件と打ち切りのリスクを並べて説明します。

市街化区域の中に残る畑は、「農地だから安い」という感覚と相続税評価が大きくずれる財産です。結論から書くと、市街化区域の畑は宅地とほぼ同じ価額で評価され、路線価12万円の畑1,000㎡なら評価額は1億円を超え、農業を続けて納税猶予を使うかどうかで申告期限に納める税額が1,000万円単位で変わります。

評価は「宅地だったらの価額−造成費」

市街化区域内の農地は市街地農地として、宅地比準方式で評価します。

評価額 =(路線価×画地補正率 − 1㎡当たり宅地造成費)× 地積

宅地造成費は国税局が毎年公表する単価で、平坦な畑なら整地費が中心です。計算例として、路線価12万円、補正率1.00、造成費を1㎡2,000円、地積1,000㎡とします。

  • (120,000円 − 2,000円)× 1,000㎡ = 1億1,800万円

生産緑地なら買取り申出ができるまでの期間に応じて5〜35%の減額があります(生産緑地の相続税評価)。面積が広い畑は地積規模の大きな宅地の規定で減額できることがあり、傾斜や高低差があれば造成費が増えます(宅地造成費の計算)。ここでは単純化のため減額は使いません。

相続税の総額

相続人は子2人、財産は上の畑1億1,800万円と預金1,200万円の合計1億3,000万円とします。

  1. 基礎控除:3,000万円+600万円×2人=4,200万円
  2. 課税遺産総額:1億3,000万円 − 4,200万円 = 8,800万円
  3. 法定相続分で分けた額:4,400万円ずつ → 税率20%・控除200万円 → 各680万円
  4. 相続税の総額:680万円×2 = 1,360万円

畑を長男が、預金を次男が取得すると、総額を取得割合で按分して長男約1,234万円、次男約126万円が各人の税額です。

納税猶予を使う場合

長男が農業を引き継いで納税猶予を受けると、畑を農業投資価格(農業用として取引される場合の価格で、通常の評価額よりはるかに低い)で計算し直した税額だけを納め、差額が猶予されます。仮に農業投資価格を1,000㎡で100万円とすると、遺産は1,300万円で基礎控除以下となり、長男が今納める相続税は0円、約1,234万円が猶予税額です。次男の税額は変わりません。

納税猶予なし 納税猶予あり
長男が申告期限に納める額 約1,234万円 0円(約1,234万円を猶予)
条件 なし 終身営農・3年ごとの継続届出・担保提供
途中で売る・転用する 自由 猶予税額+利子税を一括納付

猶予は「免除」ではなく、売却や転用で打ち切られると猶予税額と利子税をまとめて納めます(納税猶予の仕組み)。使わない場合は、延納や畑の一部売却で納税資金を確保する計画が要ります。どちらが合うかの判断は納税猶予を受けるべきかで整理しています。

当センターでは、畑を含む土地ごとの評価額を出し、猶予を受ける場合と受けない場合の税額を並べてお示ししています。相続税申告は基本報酬99,000円(税込・遺産総額4,000万円まで)から、土地の評価は1か所110,000円(税込)から、初回相談は無料です。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

ご自身のケースではどうなるか、無料相談で確認できます。

初回相談は無料。ご契約まで費用はかかりません。相続税額の目安はシミュレーションでもその場で確認できます。

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