結論からいうと、財産が預金だけで、金額が基礎控除をわずかに超える程度なら、自分で申告できます。預金は残高証明書の金額がそのまま評価額になり、土地のような評価の難しさがないからです。ただし「預金だけ」に見えて、実際には判断に迷う要素が隠れていることが少なくありません。
自分で申告できる目安
- 財産が預貯金(と少額の上場株式)だけで、不動産がない
- 遺産総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるが、超過分が数百万円程度
- 相続人全員の連絡がつき、分け方がすぐに決まる
- 亡くなった方から家族への多額の送金や、家族名義の口座への入金がない
この条件に当てはまれば、国税庁の申告書様式や申告書作成コーナーを使って自分で作成できます。進め方は相続税の申告を自分でする方法にまとめています。
「預金だけ」でも税理士に頼んだほうがよいケース
1. 家族名義の口座に亡くなった方のお金が入っている 妻や子、孫の名義でも、お金の出どころが亡くなった方で、名義人が管理していなければ名義預金として相続財産に含める必要があります。税務調査で最も指摘が多い項目です(名義預金の判断)。
2. 亡くなる前7年以内に贈与があった 相続人への生前贈与は、原則として相続財産に加算して計算します(2024年以降の贈与から段階的に7年まで延長。加算のルール)。通帳の振込履歴を追って集計する作業が必要です。
3. 亡くなる直前に大きな出金がある 入院費や葬儀の準備で引き出した現金は、死亡日に残っていれば手元現金として計上します。使い道の説明がつかない出金は調査で確認されます。
4. 遺産総額が5,000万円を超える、または相続人が4人以上 税額が大きくなるほど、計算ミスの影響も大きくなります。配偶者の税額軽減を使う場合は、二次相続まで考えた分け方で税額が変わります。
費用との比較
例えば預金4,500万円、相続人が妻と子1人(基礎控除4,200万円)なら、課税対象は300万円で、税額は配偶者の税額軽減を使えば0円になることもあります。この規模の申告を当センターに依頼した場合の基本報酬は税込99,000円〜です(料金表)。名義預金の見落としで追徴を受けた場合の加算税・延滞税と比べて判断してください。
まとめ
預金だけで金額も小さく、家族名義の口座や生前贈与の問題がなければ、自分で申告して差し支えありません。一方、名義預金や7年以内の贈与、直前の出金があるなら、専門家が通帳を確認したほうが結果的に安全です。どちらか迷う段階で無料相談をご利用いただければ、申告の要否と自分で進められるかをお伝えします。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。