賃貸オーナーが亡くなったときの準確定申告|減価償却は月割り、固定資産税は3つの計上方法、青色申告の引継ぎ期限

アパートや貸家の所有者が亡くなると、相続人は4か月以内にその年の1月1日から死亡日までの不動産所得を準確定申告します。減価償却費は死亡月までの月割り、固定資産税は納税通知書が届いていれば全額・納期到来分・実際に納めた分の3通りから選べ、残りは相続人の経費か債務控除になります。相続人が青色申告を続けるための承認申請の期限と、相続税申告との関係をまとめます。

賃貸オーナーが亡くなると、相続税の申告とは別に、亡くなった方のその年の所得税の申告(準確定申告)が4か月以内に必要です。不動産所得には、給与や年金にはない計上の決まりがあります。結論から書くと、減価償却は死亡月までの月割り、固定資産税は3つの方法から選べ、青色申告は相続人が改めて承認申請しないと引き継げません。

収入:支払期日で区切る

死亡日までに支払期日が来た家賃が、亡くなった方の収入です。未入金でも計上します。亡くなった月の家賃の帰属は別の記事にまとめています。

減価償却:死亡月までの月割り

建物・設備の減価償却費は、1月から死亡月までの月数で月割りします(死亡月は1か月に数えます)。たとえば年間の償却費が120万円で7月10日に亡くなった場合、7か月分の70万円が準確定申告の経費です。残りの5か月分は、物件を相続した人の経費になります。相続人は未償却残高と償却方法を引き継ぐので、年の途中で建物の帳簿価額が消えることはありません。

固定資産税:3つの計上方法

固定資産税は毎年1月1日の所有者に課税され、納税通知書は4〜6月に届きます。準確定申告での計上は、次の3通りから選べます。

方法 準確定申告の経費 残りの扱い
納税通知書が届いた年の全額 1年分全額 相続人の経費にはならない。未納分は相続税の債務控除
納期が到来した分 死亡日までに納期が来た期分 残りは相続人の経費(相続税の債務控除は未納分)
実際に納めた分 死亡日までに納付した期分 同上

相続税の債務控除との関係では、死亡日時点で未納の固定資産税は全額が債務控除の対象です(納税通知書が届く前に亡くなった場合も、1月1日時点で納税義務は確定しているので控除できます)。所得税で経費にする方法と、相続税で債務控除する額は別々に整理します。

青色申告は自動では引き継がれない

亡くなった方が青色申告でも、相続人は自動的には青色になりません。相続人が青色申告を続けるには、青色申告承認申請を期限内に出す必要があります。期限は死亡日によって変わり、1月1日〜8月31日の死亡なら死亡日から4か月以内、9月1日〜10月31日ならその年の12月31日、11月1日〜12月31日なら翌年2月15日です。出し忘れると、相続した年は白色申告になり、65万円(または10万円)の青色申告特別控除が使えません。

相続税申告との関係

  • 準確定申告で納める所得税は、相続税の債務控除の対象です。還付になる場合は、還付金が相続財産になります
  • 準確定申告の収支内訳書・青色決算書は、相続税申告で建物の未償却残高・敷金・未収家賃を確認する資料になります。先に準確定申告を固めると、相続税申告が進みます

当センターでは、賃貸オーナーの相続税申告と準確定申告をあわせてお受けし、家賃・減価償却・固定資産税の振り分けを一つの表で管理しています。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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