親が買った不動産の取得費の調べ方|契約書がないときに探す5つの資料と推計が認められる場合・認められない場合

相続した不動産を売るとき、親の購入時の契約書が見つからないと取得費は売却額の5%になり、税金が大きく増えます。登記簿の抵当権の額、分譲時のパンフレット、住宅ローンの返済予定表、建物の標準的な建築価額表、市街地価格指数による推計という5つの調べ方と、推計が認められる条件・否認されやすい場合を解説します。

「父が40年前に買った家。契約書はどこにもない」。相続した不動産の売却で最も多い相談です。結論から書くと、契約書がなくても、登記簿・分譲資料・住宅ローンの記録・建物の標準的な建築価額表などで購入価格を合理的に示せれば実額の取得費として申告でき、何も示せないときだけ売却額の5%(概算取得費)になります。

探す順番と見つかる場所

資料 どこで手に入るか 分かること
1. 売買契約書・領収書・売渡証書 親の書類箱、金庫、仲介した不動産会社の保存分 土地建物の価格そのもの。最も確実
2. 登記簿の抵当権の額(乙区) 法務局で閉鎖事項を含めて取得 購入時に組んだ住宅ローンの額。借入額は通常、価格の一部または全部なので、価格の下限の目安になる
3. 分譲時のパンフレット・価格表 分譲した会社、同じ団地の住民、市の図書館の郷土資料 区画・住戸ごとの販売価格。千里や泉北のニュータウン、阪神間の分譲地で見つかることがある
4. 住宅ローンの返済予定表・通帳 金融機関(古いものは保存期間を過ぎていることもある) 借入額と返済の記録。親の通帳に頭金の出金が残っていることもある
5. 建物の標準的な建築価額表 国税庁が公表(建築年・構造ごとの1㎡あたり建築費) 建物を建てた年と床面積から建物の取得価額を計算できる。土地と建物の価格が分かれていない場合の建物部分の算出にも使う

建物については、分かった取得価額から亡くなった方が所有していた期間の減価償却費相当額を引いた額が取得費です。土地は減価しません。

市街地価格指数による推計

土地の資料が何も見つからないとき、日本不動産研究所の市街地価格指数を使い、売却時の価格から購入時の価格を逆算する方法があります。過去の審判で認められた例があるため広く知られていますが、万能ではありません。

認められやすいのは、購入時期が登記簿で特定でき、その土地が指数の対象地域(市街地の宅地)に当たり、売却価格が周辺相場と大きく離れていない場合です。一方で、購入時期が分からない、山林や農地を宅地にした、地域の価格の動きが指数と明らかに違う、といった場合は否認された例があります。推計は「他に資料がないときの最後の手段」で、まず上の1〜4を探すのが先です。

5%との比較

集めた資料から実額を出し、売却額の5%と比べて大きいほうを使います。実額が5%を下回ることはまずありませんが、推計で使う場合は、否認されたときに5%に戻るリスクと、延滞税・過少申告加算税の負担を知ったうえで判断します。詳しくは概算取得費5%と推計の方法をご覧ください。

資料が見つかれば、取得日も同時に確認でき、長期か短期かの判定にも使えます。取得費がいくらになっても、相続税を納めていれば取得費加算は別に足せます。

当センターでは、相続税申告の際に預かる登記簿・通帳・固定資産税の資料をそのまま取得費の調査に活かし、売却後の譲渡所得の試算と確定申告まで続けてお受けしています。相続税申告は基本報酬99,000円(税込・遺産総額4,000万円まで)から、初回相談は無料です。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

ご自身のケースではどうなるか、無料相談で確認できます。

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