固定資産税評価額と相続税評価額が大きく食い違うとき|7割と8割の水準差、倍率との関係、誤りを見つける手がかり

土地の固定資産税評価額は公示価格の7割、路線価は8割が目安なので、相続税評価額は固定資産税評価額の1.1〜1.2倍程度に収まるのが通常です。この比率から大きく外れる土地は、地目・地積・補正の見落としか、固定資産税評価の誤りが疑われます。倍率地域との関係、建物は固定資産税評価額そのままになる理由まで整理します。

路線価で計算した土地の評価額が、課税明細書の固定資産税評価額の2倍だった。あるいは逆に下回った。こうした食い違いには理由があります。結論から書くと、土地の固定資産税評価額は公示価格の7割、路線価は8割が目安なので、路線価評価は固定資産税評価額のおおむね1.1〜1.2倍に収まり、この幅から大きく外れたら地目・地積・補正か固定資産税評価のどこかに見直す点があります。

7割と8割という水準の違い

固定資産税評価額 相続税評価額(路線価)
公示価格に対する水準 約70% 約80%
決める主体 市区町村 国税庁
見直しの頻度 3年ごとの評価替え 毎年
形や奥行の補正 市区町村が織り込み済み 評価する側が掛ける

80÷70≒1.14なので、同じ土地なら路線価評価は固定資産税評価額の1.1〜1.2倍程度が目安です。倍率地域の宅地の倍率が1.1前後に設定されているのはこの差を埋めるためで、倍率方式はこの関係をそのまま使った計算といえます。

食い違いが大きくなる理由

比率が1.5倍や2倍になる、あるいは1倍を切る場合の主な原因です。

  1. 地価の変動と評価替えのずれ:固定資産税評価額は3年据え置きなので、路線価が連続して上がっている地域では相続税評価の方が先に上がり、比率が開きます
  2. 地目の認定の違い:市区町村は雑種地として低く評価しているのに、相続税では宅地として計算している(またはその逆)
  3. 補正の見落とし:固定資産税評価には不整形や無道路の減額が入っているのに、路線価評価で補正を掛け忘れている。比率が高すぎるときの最も多い原因です
  4. 地積の違い:課税明細書の課税地積と登記簿の地積が違う(分筆・合筆の未反映、縄伸び)
  5. 固定資産税評価そのものの誤り:構造や面積の取り違え、取り壊した建物への課税など

誤りを見つける手がかり

路線価×地積÷固定資産税評価額の比率を土地ごとに出し、1.1〜1.2から外れる土地だけ原因を調べる、という順番が効率的です。

  • 比率が高すぎる → 自分の評価に補正の漏れがないか、固定資産税の地目が低い地目になっていないかを確認
  • 比率が低すぎる → 固定資産税評価が過大でないか(住宅用地の特例の未適用、非課税の私道が課税されているなど)を確認

固定資産税評価の誤りが分かれば、市区町村への申出で直してもらい、過去分の還付を受けられることがあります。手続きと期限は固定資産税評価額が間違っていたらに書いています。倍率地域の土地は固定資産税評価額がそのまま相続税評価の元になるので、この確認が評価そのものになります。

建物は固定資産税評価額そのまま

建物の相続税評価額は固定資産税評価額×1.0で、土地のような水準差はありません。固定資産税の建物評価は再建築価格に経年減点を掛けた額で、相続税もそれをそのまま使うからです。したがって建物については「食い違い」は起きず、固定資産税評価額の前提(構造・床面積・取り壊しの反映)が正しいかだけを確かめます。貸家なら30%減額になる点は建物の相続税評価を参照してください。

比率の確認は、自分で評価した結果の検算にも、固定資産税の払いすぎを見つけるのにも使えます。当センターでは土地ごとにこの検算を行っており、土地の評価は1か所110,000円(税込)から、相続税申告は基本報酬99,000円(税込・遺産総額4,000万円まで)からです。初回相談は無料です。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

相続税だけでなく、遺産分割・登記・不動産の売却まで、無料相談ひとつで段取りできます。

初回面談は0円。相続税がかかるかの判定と税額の目安、分け方の比較、相続登記や名義変更(提携の司法書士)、揉めている場合(提携の弁護士)、不動産の評価と売却の税金まで、窓口は当センターひとつです。ご契約まで費用はかかりません。

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