自宅のマンションと投資用マンションで違う相続税の扱い|評価・小規模宅地等の特例・配偶者居住権・売却時の特例を比較

同じ区分マンションでも、自宅として住んでいた室と人に貸していた室では相続税の扱いが大きく違います。評価は自用か貸家か、小規模宅地等の特例は特定居住用(330㎡・80%減)か貸付事業用(200㎡・50%減)か、配偶者居住権は自宅だけ、売却時の3,000万円控除は自宅だけで空き家特例はマンション自体が対象外。項目ごとの違いを表で整理します。

「自宅のマンションと、貸している投資用のマンションが1室ずつある」という相続はよくあります。結論から書くと、評価の方法・小規模宅地等の特例・配偶者居住権・売却時の特例の4つが違い、評価は投資用のほうが低く、特例は自宅のほうが大きいのが基本です。

4つの違い

項目 自宅(自用) 投資用(貸家)
建物の評価 固定資産税評価額 固定資産税評価額 × 70%
敷地権の評価 自用地 貸家建付地(借地権割合×30%を減額)
区分所有補正 適用(2024年以後) 適用
小規模宅地等の特例 特定居住用:330㎡まで80%減 貸付事業用:200㎡まで50%減(相続開始前3年以内に貸し始めた室は原則対象外)
配偶者居住権 設定できる 設定できない
売却時の3,000万円控除 相続人が住んでから売れば居住用財産として可。空き家特例は区分所有建物が対象外 不可
取得費加算 3年10か月以内なら可 同じ

評価と特例の組み合わせ

評価は、自宅も投資用も敷地権(敷地全体の評価×敷地権割合)+建物(固定資産税評価額)に区分所有補正率を掛けるところから始めます(補正率の計算例)。投資用はそこから貸家・貸家建付地の減額が入るので、同じマンションなら投資用の評価が低くなります。

小規模宅地等の特例は、自宅を配偶者か同居の子が取得すれば、特定居住用として敷地権の持分面積(330㎡まで)が80%減になります。マンションの持分面積は数十㎡以下が普通なので、枠が余ります。余った枠は投資用の貸付事業用に回せますが、限度面積は併用の計算式で調整され、どちらを優先するかは減額される金額で比べます(敷地権の持分面積の計算)。

配偶者居住権は自宅だけ

配偶者居住権は、亡くなった人が所有する建物に配偶者が相続開始時に住んでいたことが要件です。投資用マンションには設定できません。自宅のマンションを子が相続し、配偶者が居住権で住み続ける形にすると、配偶者の取得する財産を抑えつつ住まいを守れます。

売却時の違い

自宅を相続した子がそこに住んでから売れば、居住用財産の3,000万円控除が使える可能性があります。住まないまま売る場合、戸建てなら空き家特例が候補になりますが、区分所有建物は空き家特例の対象外です。投資用は居住用の特例が使えず、譲渡所得は引き継いだ取得費と取得費加算で計算します。賃貸中の室の家賃は、相続開始までが被相続人の所得(準確定申告)、その後は相続人の所得です。

当センターでは、自宅と投資用を合わせた評価と、特例をどちらに使うと税額が低くなるかの比較を、相続税の試算としてお出ししています。相続税申告は基本報酬99,000円(税込・遺産総額4,000万円まで)からで、初回相談は無料です。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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