東大阪市の相続で特徴的なのは、自宅と工場が同じ敷地にある、工場の土地は社長個人のもので建物は会社のもの、社長が会社にお金を貸している、という「個人と会社が混ざった財産」です。当センターへの相談は累計1,000件を超え、東大阪からは「工場を継ぐ長男と継がない次男にどう分けるか」「会社に貸したお金に相続税がかかると聞いた」という相談が多くあります。結論から書くと、東大阪の相続対策は、①工場の土地・自社株・役員借入金の3つを評価して全体の税額を知り、②土地と株は後継者に集めつつ、③役員借入金は生前に減らし、④継がない子への配慮を遺言と生命保険で用意する、の4段階です。
まず3つの財産を評価する
- 工場の土地(社長個人の名義):会社に貸して地代を受け取り、「土地の無償返還に関する届出書」を税務署に出していれば、自用地評価の80%で評価するのが一般的です。届出が無く権利金も地代もやり取りしていない場合は扱いが変わるので、まず届出の有無を確認します。後継者が相続して事業を続ければ、特定事業用宅地等の特例で400㎡まで80%減額できます
- 自社株(非上場株式):会社の規模に応じて類似業種比準方式・純資産価額方式で評価します。土地や内部留保が多い会社は、出資額の何倍もの評価になることがあります
- 役員借入金(社長が会社に貸したお金):相続では額面で財産になります。会社に返す力が無くても評価は下がりにくいので、生前に返済・債務免除・資本への振替(DES)などで減らしておくのが対策の柱です。経営者の会社と個人のお金の整理
この3つに自宅と預貯金を足して、相続税シミュレーションで全体の税額を確かめます。自社株の評価は会社の決算書が要るので、相談の際にお持ちください。
土地と株は後継者に、継がない子には別の財産を
工場の土地と自社株を複数の子で共有すると、会社の意思決定が止まり、土地も処分できなくなります。後継者に集めるのが原則ですが、そうすると継がない子の取り分が減り、遺留分(法定相続分の半分)の問題が出ます。対策は次の組み合わせです。
- 自宅や預貯金を継がない子に渡す
- 生命保険の受取人を継がない子にして、代償金の原資にする。生命保険で納税資金・代償金・遺留分を準備する
- 自社株は事業承継税制で納税猶予を受ける(特例承継計画の提出期限は2027年9月30日、適用期限は2027年末まで)
- 遺言で「土地と株は長男、自宅と預金は次男」と決め、付言事項で理由を書く。経営者の遺言に書くべき事項
住宅と工場が混在する敷地の注意点
自宅と工場が同じ敷地にある場合、建物ごとに居住用と事業用に分けて評価し、小規模宅地等の特例もそれぞれの区分で判定します。居住用330㎡と事業用400㎡は併用できるので、どちらも後継者が相続すれば敷地全体の評価が大きく下がります。逆に、工場部分を他人に貸している(貸工場)なら貸付事業用の区分になり、限度面積の計算が変わります。
工場を閉める・売る・貸す場合
後継者がいない場合は、廃業して土地を売るか、貸工場・貸倉庫として貸すか、建物を解体して駐車場にするかを比べます。貸せば貸家建付地として評価が下がり、貸付事業用の特例も使えますが、賃貸開始から3年以内の相続は特例の対象外です。新しく建物を建てて貸す計画は、2027年1月以後に取得した貸付用不動産が相続前5年以内なら時価の8割で評価される改正(令和8年度改正)を踏まえて判断します。
相談の進め方と費用
初回相談は無料で、東大阪市内のご自宅・工場への訪問とオンライン面談に対応しています。固定資産税の納税通知書、会社の直近の決算書、役員借入金の残高、家族構成が分かれば、全体の税額と、後継者に集めた場合の分け方の比較をお見せします。申告の報酬は基本報酬99,000円(税込)からで、非上場株式の評価は1社110,000円(税込)からの加算です。東大阪市の相続税申告のページと、東大阪市で相続税申告が安い税理士もご覧ください。
まとめ
東大阪の町工場の相続対策は、工場の土地・自社株・役員借入金の評価を知ることから始まります。土地と株は後継者に集め、役員借入金は生前に減らし、継がない子への配慮を遺言と生命保険で用意すれば、会社も家族も止まりません。事業承継税制の計画提出は2027年9月30日が期限です。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。