大阪市で不動産を持っている親の相続対策|タワマン・貸ビル・長屋と借地・町工場、24区の財産別に「売る・貸す・建てる・贈る・遺す」を比べる

大阪市内に自宅や貸ビル、長屋、工場をお持ちの方の相続対策を、区ごとの財産の型に分けて解説します。まずシミュレーションで相続税がかかるかを確かめ、小規模宅地等の特例・貸家建付地・二次相続・遺言の順に検討します。2027年からの貸付用不動産の評価見直しにも対応。

「大阪市内に親の家と貸しビルがある。相続税がいくらかかるのか、今のうちに何をしておけばいいのか分からない」。当センターへのご相談は累計1,000件を超え、その中で最も多いのが、こうした不動産をどう活かし、どう分けるかという生前の相談です。結論から書くと、大阪市の相続対策は、①シミュレーションで相続税がかかるかを確かめる → ②自宅は小規模宅地等の特例が使える分け方にする → ③貸している不動産は評価と収益を両方見る → ④分けにくい不動産があるなら遺言を書く、の順で進めれば大きく外しません。区ごとに財産の型が違うので、型別に書きます。

まず「かかるかどうか」を確かめる

相続税がかかるのは、財産の合計が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える家です。大阪市内は路線価が高く、梅田・天王寺・難波周辺なら自宅の土地だけで基礎控除に届くことがあります。固定資産税の納税通知書にある土地の面積と、国税庁の路線価図の数字を掛ければ概算が出ます。相続税シミュレーションに財産の概算と家族構成を入れれば、税額と配偶者の税額軽減の効果まで分かります。ここで「かからない」なら、対策の中心は分け方と遺言に移ります。

24区の財産の型と対策

  • タワーマンション・分譲マンション(北区・中央区・西区・福島区・天王寺区など):2024年から区分所有補正が入り、市場価格との差が大きい物件は評価が上がりました。「マンションを買えば相続税が減る」は以前ほど効きません。自宅として住んでいれば小規模宅地等の特例(330㎡まで80%減)が使えるので、誰が住み続けるかを先に決めます。詳しくは分譲マンションの評価(2024年〜)
  • 貸しビル・店舗兼住宅(中央区・浪速区・北区):土地は貸家建付地として約2割下がり、貸付事業用宅地等の特例(200㎡まで50%減)も使えます。ただし空室が多いと減額が減り、建物の修繕費がかさみます。評価だけでなく「持ち続けて収益が出るか」を一緒に見ます
  • 長屋・借地・底地(生野区・西成区・東淀川区・大正区・港区など):借地権と底地が入り組んだ土地は、評価も分け方も難しい財産です。地主側は貸宅地(自用地評価×(1−借地権割合))で評価が下がる一方、売りにくい。生前に借地人への売却や交換で整理しておくと相続人が助かります。底地の整理方法3つ
  • 広い土地・生産緑地(平野区・鶴見区・住吉区・東住吉区):500㎡以上の宅地は地積規模の大きな宅地として評価を下げられることがあります。農地は納税猶予の対象かどうかで対策が変わります
  • 町工場(東成区・城東区・西淀川区・此花区):自社株、工場の敷地、社長が会社に貸したお金(役員借入金)が相続財産になります。土地を会社に貸しているなら「無償返還の届出」の有無で評価が変わり、特定事業用宅地等の特例(400㎡まで80%減)も検討します

売る・貸す・建てる・贈る・遺す

選択肢 相続税への効き方 大阪市での注意点
売る 不動産が現金になり評価は上がる。納税資金ができる 相続後に売るなら取得費加算・空き家の3,000万円控除が使える場合がある
貸す 貸家建付地で約2割減、貸付事業用の特例で50%減 空室が多い物件は減額が減る。賃貸開始から3年以内の相続は特例が使えない
建てる・買う 借入金が債務控除になり、建物は固定資産税評価で評価 2027年1月以後に取得した貸付用不動産は、相続前5年以内なら時価の8割で評価(令和8年度改正)。直前の購入は効かなくなる
贈る 年110万円の暦年贈与、相続時精算課税(年110万円控除つき) 不動産の贈与は登録免許税・不動産取得税が相続より高い。亡くなる前7年の贈与は加算
遺す(遺言) 税額は変わらないが、特例を使える分け方を確実にできる 分けにくい不動産が1つしかない家ほど必要

「建てる・買う」については、令和8年度改正の記事のとおり効果が小さくなります。すでに持っている物件は従来どおりなので、新しく買うより今ある物件の空室対策のほうが確実です。

遺言が特に必要な家

大阪市内の相続で揉めるのは、「自宅1軒と預金が少し」の家です。自宅を長男が相続すると他の子に渡す現金が足りず、共有にすると売るにも貸すにも全員の同意が要ります。遺言で「自宅は同居の長男、預金は次男」と決め、足りない分を生命保険の受取人指定で補うのが定番の形です。公正証書遺言なら家庭裁判所の検認が不要で、相続後すぐに登記と預金の手続きに入れます。公正証書遺言の作り方

二次相続まで見る

配偶者は1億6,000万円まで無税なので、一次相続で配偶者に寄せれば税額はゼロに近づきます。しかし配偶者が亡くなる二次相続では配偶者の軽減が無く、相続人も1人減るので、二回の合計で見ると損になることが多いです。自宅は配偶者が、貸しビルは子が、という分け方を一次相続の段階で考えます。二次相続対策とは

相談の進め方と費用

生前のご相談も初回は無料です。固定資産税の納税通知書、賃貸借契約書、預金の残高のメモ、家族構成が分かれば、その場で相続税の概算と、分け方のパターン別の税額をお見せします。申告をお受けする場合の報酬は基本報酬99,000円(税込・遺産総額4,000万円まで)からで、料金表で公開しています。区ごとの財産の特徴は大阪市の相続税申告のページから各区のページへ、費用の目安は大阪市で相続税申告が安い税理士をご覧ください。

まとめ

大阪市の不動産の相続対策は、シミュレーションで税額を知る → 自宅は特例が使える分け方 → 貸している不動産は評価と収益の両方を見る → 分けにくいなら遺言、の順です。2027年からは相続直前の賃貸不動産の購入が効かなくなるので、今ある財産の整理と分け方を先に固めてください。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。

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初回相談は無料。ご契約まで費用はかかりません。相続税額の目安はシミュレーションでもその場で確認できます。

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