賃貸オーナーが亡くなった直後、相続人がまず困るのは「家賃はどこに振り込まれるのか」「管理会社に何を言えばいいのか」です。結論から書くと、賃貸借契約も管理契約も、死亡で終わらず相続人に引き継がれます。必要なのは、各契約の相手に連絡して、受け皿と名義を順番に変えていくことです。
亡くなった直後(1〜2週間)
- 管理会社に死亡の連絡:当面の連絡窓口になる相続人を伝える。家賃の送金先口座(亡くなった方の口座)が凍結されると送金が止まるので、相続人代表の口座への変更を相談する
- 家賃の受け皿:遺産分割が終わるまでの家賃は法定相続分で各相続人のものです。実務では、相続人代表の口座で預かり、分割後に精算する形が多い。預かった家賃の記録を残す
- サブリース会社:借上げ会社にも死亡の連絡。サブリース契約の賃料の振込先を変更
- 緊急の修繕・入居者対応:管理会社に、相続人の了承なしで対応できる範囲(少額修繕)を決めておく
遺産分割まで(〜10か月)
- 入居者への通知:貸主が亡くなったことと、家賃は従来どおり(または変更後の口座へ)払うこと、敷金は新しい貸主が引き継ぐことを文書で通知。承継の手続きの記事も参考に
- 家賃保証会社:保証契約は入居者と保証会社の契約で、貸主が変わっても原則続きますが、貸主の名義変更の届出を求められることがあります
- 火災保険:契約者が亡くなった方の場合、相続人への名義変更。空白期間を作らない
- 固定資産税:市区町村に相続人代表者指定届を出し、納税通知の宛先を決める
- 金融機関(借入):アパートローンの返済口座が凍結される前に連絡。返済を続けられる口座に変更し、相続後の債務引受の相談をする
- 準確定申告:4か月以内。賃貸オーナーの準確定申告の記事参照
遺産分割後
| 相手 | 手続き |
|---|---|
| 法務局 | 相続登記(取得者名義へ)。相続登記の必要書類 |
| 管理会社・サブリース会社 | 契約者の名義変更。振込先を取得者の口座に |
| 入居者 | 貸主変更の通知(登記完了後に改めて) |
| 金融機関 | 債務引受の契約(取得者が借入を引き継ぐ) |
| 保険会社 | 火災保険の契約者変更 |
| 税務署 | 取得者の青色申告承認申請・開業届(相続による不動産所得の開始) |
| 消費税(店舗・事務所の賃貸がある場合) | 課税事業者の判定、インボイス登録 |
相続税申告のために管理会社からもらう資料
- 相続開始時点の入居状況一覧(各室の契約開始日・家賃・敷金・空室の募集開始日)
- 死亡月の送金明細(未収家賃・前受家賃の振り分けに使う)
- 預り敷金の残高、管理費・修繕の未払金
当センターでは、賃貸オーナーの相続について、このチェックリストに沿って各契約の引継ぎと相続税申告・準確定申告をまとめて進めています。初回相談は無料です。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。