阪神間の相続相談で最も多いのは、「財産は自宅と預金だけなのに相続税がかかると言われた」というものです。西宮の阪急沿線や芦屋、宝塚の住宅地では、自宅の土地だけで5,000万〜1億円の評価になることが珍しくありません。当センターへの相談は累計1,000件を超え、阪神間からは自宅の分け方と二次相続、尼崎の貸家や借地の整理の相談が中心です。結論から書くと、阪神間の相続対策は、①自宅の評価を正しく出し(減額の検討を含む)、②小規模宅地等の特例を二次相続まで使い切る分け方にし、③貸家・借地は生前に整理し、④分けにくい自宅は遺言で決める、の4つです。
自宅だけで基礎控除を超える家
基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数です。配偶者と子2人なら4,800万円。西宮市の苦楽園・甲東園、芦屋市の山手、宝塚市の逆瀬川周辺なら、土地だけでこれを超える家が多くあります。まず相続税シミュレーションに、固定資産税の納税通知書の面積×路線価の概算と預貯金・生命保険金を入れて、税額と配偶者の税額軽減の効果を確かめます。
財産の型別の対策
高額な自宅(西宮市・芦屋市・宝塚市)
- 評価の減額を漏らさない:500㎡以上の宅地は地積規模の大きな宅地、丘陵地の高低差・擁壁・がけ地はがけ地補正の検討対象です。路線価×面積で終わらせると税額が数百万円変わります
- 小規模宅地等の特例を誰が使うか:配偶者が相続すれば無条件で使えますが、二次相続では同居か家なき子の要件を満たす子が必要です。一次相続の段階で、二次相続で誰が自宅を相続するかまで決めておきます。二次相続で特例を使い切る戦略
- 二次相続の試算:配偶者に自宅を寄せれば一次相続の税額はゼロに近づきますが、二次相続で配偶者の軽減が無くなります。自宅は配偶者、預金は子、といった分け方を二回の合計で比べます。自宅は配偶者が相続すべきか子が相続すべきか
貸家・借地・工場の混在地(尼崎市・伊丹市)
戦後から続く借地や文化住宅、自宅と作業場が同じ敷地にある家が多い地域です。貸家は貸家建付地として評価が下がりますが、空室が長い部屋は減額の対象から外れます。地主側の貸宅地は評価が下がる一方で売りにくいので、生前に借地人への売却や借地権との交換で整理しておくと相続人が助かります。底地の整理方法
ニュータウンの実家(川西市・三田市・宝塚市の一部)
子が家を出て誰も住まない見込みの実家は、「売る・貸す・維持」を親が元気なうちに決めます。相続後に売るなら空き家の3,000万円控除の要件を、貸すなら賃貸開始から3年以内の相続は特例が使えない点を頭に入れます。三田市の農村部の田畑・山林は、継ぐ人の有無で納税猶予か売却かを決めます。
売る・貸す・建てる・贈る・遺す
| 選択 | 効き方 | 阪神間での注意点 |
|---|---|---|
| 売る | 納税資金と分けやすさ | 高額な自宅を相続後に売るなら取得費加算・空き家控除を検討 |
| 貸す | 貸家建付地で約2割減、貸付事業用の特例で50%減 | 3年以内の相続は特例対象外 |
| 建てる・買う | 借入金の債務控除 | 2027年1月以後に取得した貸付用不動産は相続前5年以内なら時価の8割で評価(令和8年度改正) |
| 贈る | 暦年贈与110万円、相続時精算課税、住宅取得資金の贈与 | 高額な自宅の生前贈与は登録免許税・不動産取得税が重い。配偶者への自宅贈与(2,000万円控除)は二次相続まで見て判断 |
| 遺す | 特例が使える分け方を確実にする | 自宅1軒が財産の大半の家は必須 |
遺言が要る理由
阪神間の家は「自宅が高額、預金は自宅ほど無い」という形が多く、自宅を相続する子と他の子の取り分の差が大きくなります。遺言で自宅の承継者を決め、代償金の原資を生命保険で用意し、付言事項で理由を書いておくと、遺留分の請求を受けても落ち着いて対応できます。公正証書遺言なら検認が不要です。公正証書遺言の作り方
相談の進め方と費用
初回相談は無料で、阪神間各市のご自宅への訪問とオンライン面談に対応しています。兵庫県の案件も大阪と同じ料金表で、遠方の加算項目はありません。固定資産税の納税通知書、預貯金のメモ、保険証券、家族構成が分かれば、その場で税額の概算と二次相続までの比較をお見せします。西宮市・芦屋市・尼崎市などのページと、阪神間で相続税申告が安い税理士、阪神間の高額な自宅の税理士費用もご覧ください。
まとめ
阪神間の相続対策は、自宅の評価を減額の検討まで含めて正しく出し、小規模宅地等の特例を二次相続まで使い切る分け方にし、貸家・借地は生前に整理し、分けにくい自宅は遺言で決めることです。自宅だけで相続税がかかる家ほど、分け方の設計で税額と家族の負担が変わります。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する税務判断ではありません。実際の取り扱いは財産の内容や分割の仕方によって変わります。